訪日外国人にわかりやすい駅名変更になるは本当か

 JR大阪駅周辺にある、梅田駅が訪日外国人にとって、どこの都市にあるのかわかりにくいという声が寄せられていたことから、阪急電鉄阪神電鉄は「梅田駅」を「大阪梅田駅」に変更することを決めた。

  阪急電鉄は、同様の理由で、京都市中心部にある「河原町駅」を「京都河原町駅」に変更する。


 現在、梅田駅は、阪急電鉄阪神電鉄のほかに、大阪メトロの御堂筋線の梅田駅、谷町線東梅田駅四つ橋線西梅田駅があり、かなり複雑です。

 遠方から梅田付近に出かける際、大阪の名称があたまについていれば、どの都市に行けばいいかはわかりやすいでしょう。しかし、大阪市に来てからは、これぐらいでは役にたちません。

 大阪メトロの3つの梅田駅と、阪急電鉄阪神電鉄の大阪梅田駅とが別エリアと思われるかもしれません。大阪梅田駅については、阪急電鉄阪神電鉄の区別も必要です。やはり、混乱するでしょう。

 大阪の名称をあたまにつけることについては、すでに2009年に、近鉄電車が、「大阪難波」「大阪上本町」という駅名変更を行っていますが、エリアは全く違います。これらは、キタのJR大阪駅からかなり離れた、ミナミに位置します。今回の変更で、大阪〇〇の駅名は、大阪駅付近と認識されてしまうと、新たな混乱となるかもしれません。

 そういう意味では、「京都河原町駅」は、JR京都駅からかなり離れたエリアに位置します。「京都」の名称が場所を表わさなくなり、混乱の生じる懸念があります。

 実は、阪急電鉄阪神電鉄は、2013年から14年にかけて、神戸市内の「三宮(さんのみや)駅」を「神戸三宮(こうべさんのみや)駅」に変更しました。しかし、JR神戸駅は「神戸三宮駅」から少し離れたエリアに位置しており、「神戸」の名称が混乱をまねいているという話もあります。

 わかりやすくするための駅名変更といっても、そう簡単ではないですね。その地域に関係する方々の工夫が必要になってきそうです。