小惑星の接近に、直前まで気づかずなすすべがなかったがOKだった怖い話

 去る7月25日、直径130メートルの小惑星が、地球の約7万2000キロメートルほどの距離を通過していった。この距離は地球と月の距離の5分の1以下で、危険なニアミスといえる状態であった。無事だったので、小惑星は「2019 OK」と名付けられた。

 世界の研究チームが、この小惑星の接近に気付いたのは、地球のそばを通過する数日前のこと。天文学者らは、小惑星の大きさやその進む方向について、地球のそばを通過する直前まで情報を公表しなかった。

 気付いた時点では、既存の技術を用いて小惑星を破壊したり、その軌道を変えさせるのに十分な時間は残っていなかった。

 アメリカでは、NASAが、2020年までに直径140メートル以上の地球に接近する小惑星の90%を追跡することになっている。しかし、12月の時点で地球上や宇宙にある望遠鏡が見つけたのは、全体の3分の1以下だった。現状、小さな小惑星を観測するのは難しい。

 記事の全文は、
 

天文学者も数日前まで気付かず…… 直径約130メートルの小惑星が地球とニアミスしていた(BUSINESS INSIDER JAPAN) - Yahoo!ニュース


 で見られます。

 

 小惑星の衝突といえば、6600万年前にメキシコに落下し恐竜を絶滅させた巨大な隕石
が思い起こされます。

 NASAは大型(直径が約800メートル以上)の小惑星の約90%は追跡しているとのことです。

 今回の小惑星より少し小さめの隕石が、1908年にシベリアのツングースカ川上空で爆発しています。その破壊力はTNT火薬にして5メガトン相当(広島に投下された原爆の数百倍)と推定されています。

 もし、今回の小惑星が衝突していれば大変な惨事となったであろうことは想像にかたくありません。

 小惑星の接近に気付いても、直前まで情報を公表しなかったのは賢明だったと思います。通過までの数日間、地球がパニック状態に陥る可能性がありました。なすすべがなかったわけですから、公表しなかったことで、せめて平静で過ごせたメリットはあったといえそうです。

 ただ、もし、地球上のどこに衝突するのか範囲が少し前に特定できるなら、その地域の人々に逃げる時間を与えられるかを検討する余地はあります。

 これだけ人類に具体的な危険があるのに、なぜ世界中の人々に状況を伝え、国際的協力体制がもっと強力に構築されないのでしょうか。

 おそらく、世界中に軍事的対立がある状況では、まださまざまな障壁があるということなのでしょう。小惑星を特定し破壊する技術は、他国を攻撃する高度な軍事力になりうるからと考えます。

 当面は、想定のむずかしい自然災害の一つととらえるしかなさそうです。