大相撲名古屋場所１３日目 前場所平幕優勝の朝乃山負け越し あと２日が将来に向けての試金石

　大相撲名古屋場所は１３日目が終わり、全勝の横綱鶴竜に土。もう一人の横綱白鵬は１敗を守り、二人がトップで並びました。

　優勝争いは状況に変化。１４日目に、好調で優勝経験のある関脇御嶽海と対戦する鶴竜に星１つあったゆとりが消え、出れば優勝をもくろむ白鵬にやりやすさが出てきた感があります。

　今場所は、１１日目に４人の大関が全員休場になるという異常さ。何とも味気のないものになっています。昔から、大関の元気な場所は盛り上がると言われますが、全く逆の状態。

　そういう中、注目の優勝争いとは別に、いろいろ興味深い話題があります。

　個人的に、もっとも関心があるのは、前場所西前頭八枚目から平幕優勝した朝乃山の取り組み内容。

　今場所は、初日から、２横綱・３大関との対戦という試練。それを２勝３敗で通過した６日目以降に期待がかかりましたが、なかなか勝てず、１３日目に負け越し。

　平幕で躍進した力士は、次の場所、対戦相手が上位になり、取り口も研究されるので連続して好成績をあげるのは至難。しかし、そこでどういう取り組みをするかが、その後の試金石になります。

　朝乃山には、１つでも多くの勝ちをあげたいというようなけちな考えは抱かないでほしい。なまじ勝星があると、相撲の厳しさがわからなくなる。それよりも、今、自分の持てるものを、残る２日間、必死に出してほしい。それが、成長の糧になる。

　将来、横綱になれる器。応援しています。