海老蔵休演でさらに育てられる成田屋の跡取り

 急性咽頭炎で声が出なくなり、七月大歌舞伎(歌舞伎座)を、市川海老蔵が15日夜の部から休演、テレビなどで広く報道されました。

 この公演、海老蔵長男の堀越勸玄(かんげん)君が、家の芸、歌舞伎十八番外郎売(ういろううり)に出演していました。来年5月の團十郎襲名(海老蔵)、新之助デビュー(勸玄)に向けての大事なステップ。父、海老蔵も共演し、支えていました。

 海老蔵休演で、今月出演している役者、関係者が結束して支援するのはもちろん、観客もこれまで以上に気持ちを注ぎ、見守り、応援することになりました。

 勸玄君は、父不在の場でも、立派に眼目の早口せりふを披露、一幕を無事に演じました。

 その様子(録画)が、テレビで放映され、見ているうちに、いつの間にか瞼がにじんできました。

 海老蔵にとっては、予期せぬ不本意な休演。
 しかし、そのことが逆に、勸玄君を、当初想定していた以上に育てる機会をつくったように思われます。

 歌舞伎役者は、家の中で、さらに一門の中で、そして歌舞伎界全体の中で、鍛えられ、育てられていきます。関係者、ひいき筋、観客の目と応援が、役者を大きくしていきます。

 歌舞伎を観るようになって、35年余り。
 年を経て、役者の層が薄くなってきているのが心配。

 これからも、歌舞伎を楽しみたい。そのために、今いる役者が育ってほしい。

 19日から、海老蔵は舞台復帰とのこと。

 成田屋ひいきとは言えないが、海老蔵、勸玄君ともに、今月の舞台をつとめあげ、成長していってほしいとせつに願っています。

 
付記:今日からブログを始めました。時々のニュースを題材に書いていくつもりです